2012年1月15日、積雪期の「赤岳(2,899m)」へ登ってきました。
1日目(14日)は美濃戸口から赤岳鉱泉まで行き、テント泊。そして2日目(15日)に文三郎尾根から赤岳へ登り、地蔵尾根から降りて、美濃戸口へ戻るルート。
素晴らしい天候を期待しつつも、なんとか天候が崩れないことを願いつつ、美濃戸口へと向かいました。
1日目
諏訪南ICを降り、しばらく走ると、路面は白く変わっていきました。愛車の軽自動車で、美濃戸口まで行けるか、少し心配になりましたが、問題なく到着(もちろんスタッドレスタイヤです)。流石に美濃戸までの林道を走る勇気と自信はなかったので、美濃戸口に駐車し、登山の準備を整えました(駐車場代1日¥500)。
駐車場には新雪が積もった形跡があったので、代金を支払う際に尋ねると「朝方降りましたよ」との答え。ここのところ雪が降っていないような情報を得ていたので、これにはテンションが上がりました。
八ヶ岳山荘の前は、多くの登山者で賑わっていました。ちょうどバスが着いたからかもしれませんが、「冬期の八ヶ岳=危険=人が少ない」という図式が頭の中にあったので、この人の多さには正直、少々驚きました。
それでは、まず赤岳鉱泉に向けて出発!
美濃戸へと向う林道は風が吹くと雪が舞い、とても綺麗でした。
そして、雪のついた木々の間から見える青空。冬ならではの景色ですね。
雪のない時期はデコボコの林道も、雪で比較的平らになっていました。「これならば車で登れたかもしれない」と思いましたが、チャレンジしたらきっとトラブルが起きて、多くの車や登山者に迷惑をかけたでしょう。
後ろから登ってくる車を、少々(かなり?)羨ましく思いながら、美濃戸へと歩き続けました。
美濃戸へ到着し、赤岳山荘で少々休憩してから、赤岳鉱泉へ向けて出発
美濃戸山荘からは赤岳鉱泉へと向うので、北沢を進みました。1年数ヶ月前に歩いたときの記憶を思い出そうとしますが、雪のためか、まるで歩いた記憶が思い出せませんでした。
山の神に登山の安全を願い、先へと進みます。
そして、堰堤広場あたりで、急に記憶が戻ってきました。そう、あの時は本格的な山登り初体験。重い荷物(テント泊装備)を背負って歩くのに精一杯で、堰堤広場までもとても辛く、そして長く感じました。ですが、今回は「もうここまで歩いてきたのか」という感じ。少しは成長、体力がついたのでしょうか…。
前日の降雪のおかげか、木々が雪化粧していました。そしてその間から見られる青空がとても綺麗でした。
急ぐ道のりでもないので、ところどころ立ち止まって、写真撮影をしながら赤岳鉱泉へと向かいました。
それからしばらくすると赤岳鉱泉に到着。名物「アイスキャンディー」も賑わっていました。チャレンジしてみたいなと少し思いましたが、ビビリなので今回はやめておくことに。
テントを設営してから、赤岳鉱泉で昼食。ラーメンを食べました。
そして食後は、中山展望台へと、明日登る赤岳を撮影に行くことに。
アイゼン歩行の確認をしながら歩き、中山展望台に到着。そこで待っていたのが、この景色。美しすぎる…。
ですが、同時に明日あそこに登れるのか?という不安も生まれました…。どうみても壁です!
ま、そんなことをこんな素晴らしい景色の前で考えても仕方ないので、このときはとにかくシャッターを押しまくりました。
もうしばらく撮影を続ければ、八ヶ岳のアーベントロートが見られたでしょうが、明日もありますので、赤岳鉱泉へと戻ることに。
赤岳鉱泉まで戻り、テント前から赤岳を見ると、赤く染まり出していました。そして、振り返ると…。
アーベントロートハンターが!
その中にちょっとお邪魔して、横岳大同心・小同心とアイスキャンディーを撮影しました。
その後は、夕食で賑わう赤岳鉱泉内で、缶ビールを一気に飲み干し、テントで夕食を食べました(持ってきたワインでは足りなくて、ハーフボトルも追加…)。
食後に少しだけロープワーク(インクノットとイタリアンヒッチが毎回混乱する…)を習い、翌日に備えて眠りました。
今回はソロテントではなく、2人用テントに2人だったからか、テント内で寒さを感じることはほとんどなく、熟睡することができました。そして、一番の不安であった、足先の冷えも感じませんでした。
2日目
起床し、テントから出て空を見ると、月は見えてはいましたが、うっすらと雲がかかっていました。明るくならないとはっきりとはわかりませんが、どうやら快晴とはいかないようです。
それでも出発の準備をして、歩き始めました。
行者小屋まで付き、赤岳方面を見ると真っ白…。あの中はどうなっているのかを想像しただけでもゾッとしました…。
ですが、文三郎尾根を登りだしてしばらくすると、赤岳が姿を現しました。
天候が良ければ阿弥陀岳まで足を伸ばす予定でしたが、阿弥陀岳は相変わらず雲の中。今回はあきらめて、赤岳だけにしようと決め、文三郎尾根を登りきると…。
なんと阿弥陀岳が姿を現しました(結局行きませんでしたが)。
ここから赤岳山頂まではロープで確保されながらの登山。危険・怖いと感じる箇所はありませんでしたが、とにかく風が冷たかったです。
そして、無事冬季赤岳山頂に到着。
中岳、そして阿弥陀岳へと続く稜線。
南アルプスも見えました。
もちろん富士山も。
いつまでも、何枚も写真を撮っていたかったですが、寒さには勝てず、下山することに。
下山は地蔵尾根からなので、赤岳頂上山荘を経て、赤岳展望荘方面に向かいました。
赤岳頂上山荘からは横岳方面が綺麗に見えました。
さて、ここから先が辛かった!とにかく風が強い!赤岳展望荘手前では強風で体が煽られました。少し踏ん張らないと、飛ばされそうです。一歩一歩慎重に歩き、無事赤岳展望荘まで到着。すこし休憩をとりました。
地蔵尾根から振り返ると、美しい赤岳が見られました。またいつか登りたいな〜。
地蔵尾根は雪がまだ少ないのか、階段は歩ける状態でした。サポートしてもらっている安心感もあってか、地蔵尾根も特に問題なく歩くことができました。
行者小屋まで下山し、ここまで無事だったことにほっと一安心。そして、赤岳鉱泉まで戻りました。
赤岳鉱泉で昼食を食べ、テントを撤収し、下山します。しばらくはアイゼンを付けたままでしたが、木道が出る手前あたりではずしました。
美濃戸に到着し、赤岳山荘で休憩。ここでおしるこを食べたのですが、これが良くなかった!まだ美濃戸口まで歩かないといけないのに、まったりしてしまい、体はもう歩きたくないと言っているかのよう…。赤岳山荘を出て、ザックを背負うときの辛さと言ったら…。
そして、ここからの林道歩きが最後の難関。とにかく凍っていて滑ります。美濃戸口近くの、最後の登りの、少し前の下りなんて、ツルンツルン。どこを見ても氷で、次の一歩が出せません。でも、早く出さないと滑るから足を出す、その繰り返し…。なんとか転ばずに通過したとき、後ろから悲鳴が!どうやら別のグループの方が、転んだようです。
そして、美濃戸口に到着!その後は「もみの湯」で冷えた体を温めました。東京まで戻る中央道の上りはまったく混んでおらず、順調に東京に着きました。冬の中央道上りは空いていて快適ですね。
登山日:2012年1月14・15日